似顔絵にまつわるエピソード(その33)|似顔絵の描き方が驚くほど上達する方法

(※とある男性の手記です)
似ていること、あるいはもはや同じであること、すなわち類似性もしくは同一性といったものに、人はどうして興味を持ち、魅力を感じるのでしょうか。

例えば、
「今度入社した新人の営業、すげー○○に似てる!」
といった噂が、社内でもちきりになっているとします。

そうすると、他部署の多くの人間が、わざわざ他フロアにある営業部に出向いて、ぞろぞろと見に行ったりする訳です。

その○○は、単純に芸能人あるいは有名人が想定されますが、一定レベルで名が通っている人間であれば、イケメンであろうがなかろうが(女性であれば美人であろうがなかろうが)、俳優(女優)だろうが歌手だろうがスポーツ選手だろうがお笑い芸人だろうが、あまり関係がない気がしています。
ともあれ人は、「似ている!」と言われれば興味を持って、そしてそこにある種の魅力を感じて、それを見に行ってしまうのです。

これがさらに進んで、
「今度入社した新人の営業、○○と同じ顔してる!」
などとなれば、その傾向はさらに顕著になります。それこそ当人は、入社したその日に社内一の有名人に出世です。

考えてみれば、こういった傾向があるからこそ、似顔絵やモノマネといったものに人々は興味を持ち、魅力を感じる訳ではあるのですが。

説明が長くなってしまいましたが、ここで改めて冒頭の疑問に戻ります。

「類似性もしくは同一性といったものに、人はどうして興味を持ち、魅力を感じるのであろうか」という疑問。

この疑問に対して、いろいろと専門的な知見や学術的な見解からの回答はあるでしょうが、私自身は勝手に、そして単純に、「スカッとして気持ちがいいから」だと思っています。

似ている、ということを認識すると、少なくとも私自身は間違いなく、「スカッとして気持ちがいい」のです。

ただこの時、似ていれば似ているほどいい、すなわち、同一に近づけば近づくほど「気持ちがいい」かというと、どうやら必ずしもそうとは限らないようです。

だからこそ、似顔絵やモノマネにおける、いわゆる「デフォルメ」といったもの、つまりは特徴を大袈裟に表現して笑いに変えるといった芸当が可能な訳なのですが。

こうして考えてみると、人間の感覚というものは、とかく奥が深く、不思議でやっかいなもののようですね。

タイトルとURLをコピーしました