似顔絵にまつわるエピソード(その13)|似顔絵の描き方が驚くほど上達する方法

(※とある女性の手記です)
私のサインには、自分の似顔絵が組み込まれている。

名前を崩してサラサラっと書いていく一連の流れの中で、その文字の一部をうまく利用して、ちょいちょいっと書き足すことで、自分の顔が表現されているのだ。

似顔絵と呼ぶにはシンプルだけど、マネージャーもスタッフも、初めて見た時にはすごくいいって、みんな褒めてくれた。似てるって。よく特徴を捉えてるって。

サイン会などで、ファンが渡す色紙にサラサラっとこのサインをすれば、みな一様に目をハートにしながら「似てる!」「かわいい!」って叫んでくれる。このサインのせいかどうかは分からないけど、私には同性のファンが多いのだ。

この似顔絵をモチーフにしてデザインされたグッズなんかも、ガンガン売り出された。この似顔絵が、私を象徴するアイコンとして、世の中に溢れるようになった。本当に嬉しい。

何と言っても、私自身の、私自身による、私自身のための似顔絵なんだもの。うふふふふふふふ。

この世は、私のためにあるんだわ。地球は、私のために回っているんだわ。似顔絵1つで、世界を支配できた気分だわ。うふふふふふふふ。

・・・なんていう日がいつか来ることを夢見て、私は今、アイドルになることを目指し、一生懸命サインの練習に励んでいる。

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