話は似顔絵から少し離れますが、昔から人気のある芸の一つに、「モノマネ」というものがありますよね。
モノマネをするタレントさんと言えば、コロッケさんや清水アキラさん、栗田貫一さん・ビジーフォーさんといった四天王と呼ばれた方々を始め、原口あきまささんやコージー冨田さん、松村邦洋さん、神奈月さん・・・などが有名ですね。
上に挙げた方々はもはや数十年以上といったレベルで活躍されている大御所が多い上、みな男性ばかりですが、最近(21世紀に入ったここ20年くらい)、活躍されている女性モノマネタレントと言えば、ローラさんを始めあらゆる女性タレントさんのモノマネをする福田彩乃さん、AKB48の前田敦子さんのモノマネで一世を風靡したキンタローさん、「音楽の先生」など一般的によくいる(よく見かける)人をマネすることで大人気となった横澤夏子さん、バブル時代を彷彿とさせるビジュアルと共に「しもしも~?」「ワンレン・ボディコン・館ひろし」などの持ちネタとデヴィ夫人やマイケルジャクソンのモノマネでお馴染みの平野ノラさん、倖田來未さんや芦田愛菜さんのモノマネで人気のやしろ優さんなど・・・でしょうか(厳しい芸能界であるが故、移り変わりも激しい世界ですので、次から次へと新しい方が出てきており、枚挙に暇がありませんが・・・)。最近は、普通の女優さんやタレントさんまでもが、モノマネ動画をYouTubeやTikTokなどで披露することがあったり・・・(こういう方たちって本当に芸達者ですよね。天は何物を与えたのでしょうか・・・(笑))。
彼らがやるモノマネは、「すごい!似てる!」と驚嘆するのと同時に、大概、「面白い!!」となって、大きな笑いが起こります。まさにエンターテイナー、本物のプロフェッショナルたちばかりです。
そのため、モノマネをメインにしたテレビ番組は、まず間違いなくジャンルとしては、お笑いのバラエティーに分類されます。
何故、あれほどまでに面白いのでしょうか?
何故、あれほどまでに爆笑を誘うのでしょうか?
それは、モノマネの対象となる人物の特徴を、大袈裟にやるからです。
ともすれば、その部分を、極端にデフォルメして表現したりするからです。
つまり、そこで何が起きているかというと、「本人よりも本人らしい」という現象です。
大袈裟に表現された特徴が際立って、本人らしさが前面に出てくるため、観る者に、本人よりも本人を強烈に感じさせるという現象が起きるのです。
本人でもないのに、何故か本人よりも本人らしい・・・いわばこの矛盾した現象が、大いに笑いにも繋がっているという訳です(そのため、よくモノマネしている最中に、当の本人がサプライズで登場して、モノマネタレントさんがビックリするという演出がありますが、その時によく本人が「おれって(私って)こんな???」というようなセリフを発することも多いのは、極端なデフォルメがあるが故、ですよね(笑))。
そして実は、これと同じことが、似顔絵でも言えるのです。
つまり、良く出来た似顔絵は、本人の顔の特徴をよりリアルに、より大袈裟に表現することで、モノマネと同じように「本人よりも本人らしい」という感覚を生じさせるのです。
言い方を変えると、「写真よりも本人に似ている」とでも言うべき現象が起きるのです。
だから、似顔絵は面白いんです。
ぜひあなたも「本人よりも本人らしい」似顔絵を描けるようになって、モノマネと同じような「驚嘆と笑いの種」を周りに蒔いてみませんか。