「風刺画」というものがあります。
社会の風潮や政治などの動向、大きな団体など体制や当局の姿勢、あるいは特定の人物などを、風刺( = 批判的・嘲笑的に表現)する目的で描かれた絵ですね。
さて、風刺画と同じように、親しみやすい漫画(人物の場合は要するに似顔絵)に文言を添えて、ある人物やその行動を皮肉ったり、批判したり、嘲笑的な表現で笑いを誘ったりするものがあります。
批判や嘲笑と言ってしまうと、少々ブラックな意味合いが強すぎるようにも思われますが、そこまで重いものではなくとも、多少の笑いと共に、少々冷やかす、といった具合でしょうか。
ただそこには、単なる笑いだけでなく、人間としての教訓や社会に対する訓戒など、深い意味が含まれていることも多いようです。中には、痛烈な批判意識を含むものもあります。
「風刺漫画」といって、数ある漫画の種類の中の、立派な一つのジャンルにもなっているようです。
新聞などの社説や、雑誌のコラムなどで、目にしたことがある方も多いでしょう。「カートゥーン」と呼ばれる一コマ漫画の形態で描かれることも多いようです。
有名なところでは、漫画家で、タレントやスポーツライターとしてもご活躍されている、やくみつるさんの作品などもその一つですね。
やくさんの作品を観ているといつも感じるのですが、単純に文字(文章)で書いたり、言葉で言ったりするだけではなく、似顔絵があることで、イメージするのも容易になりますし、グーンと説得力が増しますよね。目にする度に、いつも感心させられています。
文字や言葉だけではなく、似顔絵があることで、説得力が増し、作品の魅力が飛躍的に大きくなる…。
そんなやくさんの作品からも、似顔絵の持つパワー、似顔絵の秘めた効力のようなものが、感じられる気がいたします。
改めて、似顔絵って本当にいい(笑)。