似顔絵を描く際に限らず、何か物事を成し遂げようとする時は、その理想があまりに高すぎると、うまく行くものもうまく行かなくなってしまったり、あるいは十分うまく行っているのに本人はそう感じられなかったり、満足がいかなかったりするものです。
どういうことかというと、そういう場合は概して、どうしても理想と現実のギャップに対する落胆が、自分の中で他のポジティブな気持ちより先んじてしまうからです。
目標は高く掲げたほうが良いということもよく言われますが、あまりに高すぎると、現実と目標(理想)とのギャップにただただ気落ちし、気力を失ってしまうだけのことが多くあるので注意が必要なのです。
似顔絵で言えば、何か理想の似顔絵スタイルやこだわりの表現手法といったものに対する気持ちがあまりに強すぎると、それと自分の描いた絵とのギャップばかりにとらわれてしまい、せっかく描いた自分の作品がどうしても好きになれず、どこまでいっても満足出来なかったりします。
これが長く続くことになると、非常に危険です。
最悪、似顔絵というものに愛想を尽かして、描くこと自体を諦めてしまったりします。
そうなってしまっては、元も子もありません。
そうならないためには、まずはリラックスして、難しいことを考えないように意識すること。
そして、早く自分の描く絵に慣れることです。
そうすることによって、ひいては自分の作品を意識してどんどん好きになることです。
言葉で言うと簡単ですが、例えば、他人から見れば字の非常にうまいと思われる人でも、本人は割と「自分の字は好きではない」と感じていることが多いように、自分の生み出すものに慣れ、好きになるということは、なかなか大変なことなのかもしれません。
それでもとにかく、あるいはそれを踏まえた上で、自分の描く絵に慣れ、好きになるということを意識して続けてみて下さい。
言い換えればそれは、たとえ自分の作品であっても「客観的に判断する」という力を養い、身に付けるということでもあります。
純粋に似顔絵としてどうなのか、主観的な感情は抜きにしていかがなものなのか、大事なのはそこであるということを、肌で感じながら理解していくということです。
あなたの描く似顔絵は、自分で思っている以上に素晴らしい出来栄えで、実は既にそれ相応のレベルに達している可能性だってある訳です。
それ故、その上達の過程においては、自分のみならず他の人に観てもらう、第三者の眼で判断し、評価してもらう、といったことが必要になってくるのですが、それはともかく、まずは自分の描く絵に慣れ、主観的な感情から必要以上に低評価をし続けたり、自分を責めたりするようなことは避けること。
これが大事なんだと思います。
想定外に少し難しい話になってしまいましたが、もし、万が一、似顔絵の上達にあたって壁にぶつかった際には、上述した内容を少しでも思い出していただければ幸いです。
ただ、この似顔絵講座であれば、そんな壁とは無縁でいられるくらい、似顔絵の描き方を楽しく学べるはずです。
私自身、どうにも自分の描く似顔絵が気に入らず、壁にぶつかって迷走していた時期がありました。その時、あえてこちらで基本に立ち返ることによって、克服したという経験があります。
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